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Sisizaryuseigun, since 2004.07.21

140文字SSまとめ - vol.2 [マオヒエ]

[ 厳密には140文字ではない話 - お題元 ]



11.『諦めきれない』 ──── 2018/07/20

何故だ? 何故、そうも拒絶する? どうしたって欲しいのに、貴様はいつだって拒絶する。
だから、何だってしてやった。そうだ! 手にするために手段など選ぶものか! だが、実際はどうだ?
目前に在るのは記憶も感情も失った虚ろな人形だけ。違う、違う! 諦める? いいや、諦めきれない。諦めて堪るものか……


12.『わかりやすいけれど、わかりにくい』 ──── 2018/07/21

小僧が怒っている。こちらの機嫌を窺いながら、恐る恐ると。そんな駄々を捏ねる幼子のような、分かりやすくも分かりにくい行動。
あの小僧が、そういった非合理的な行動を仕掛けてくる理由が分からなかった。
相手は青年、幼子などではない。当然、語彙も有る。この時ばかりは、察せられない己を恨んだ。


13.『世界の終わりに』 ──── 2018/07/31

黒き星なる一柱の竜が宙を駆け抜けていく。意識は切り裂かれ、人々は目覚めた。
起き抜けで寝惚けたままの同居者が話したそれは、驚いた事に先の自分が見た怪夢そのものであった。
世界の終わりが来たかのような、思わせぶりな夢。何故か自分は、それこそが我々にとっての“真実たる未来”であるように思えた。


14.『頬に爪を立てる』 ──── 2018/09/01

人間、思い通りに行かない事が重なると苛々するものだ。とある二人はそういった些細な重なりで毎日のように喧嘩をしていた。
口喧嘩だなんて序の口で、酷い時は頬に爪を立てたり、本気の殴り合いをするような有様だった。
だが、彼らはそういった生活を「幸福である」と認識し、その日々を享受していた。


15.『宛先のない手紙』 ──── 2018/09/07

「宛先は書かないのか?」
「ああ、どこにいるかも分からぬ者に宛先などないからな」
「しかし、それでは意味が無いのでは?」
「まぁ、そうだな。だが、これで良い」
「そうなのか……?」
彼が支離滅裂な回答をする時は、決まって悲しそうな顔をしていた。
この靄々とした気持ちはその悲しさ故か、それとも……


16.『約束破り』 ──── 2018/09/08

二人の間で結ばれた約束事の数は膨大だ。揃って頑固者だった二人は、そういった制約を用いてようやくといった程度には犬猿の仲であった。
初めにそれを破ってきたのはどちらだったのだろうか。いや、今となってはどうだって良い事なのかもしれない。なにせ、その彼は今──
「なぁ、話があるんだが……」


17.『どうせ無意識なんだろ』 ──── 2018/10/01

ふと触れる指、目元から溢れる笑み、茶化して弾む声。近付くための足音と、屈んで布が擦れる音。
俺のために近付いて、俺のために声を出して、俺のために笑みを浮かべる。どうせ無意識なんだろ?
分かっているから、何も言わない。分かっているから、諦めなければならない。でも、それでも、どうしても。


18.『愛する臆病者』 ──── 2018/10/02

全の中の一であるか、一の中の全であるか。自身にとって、小僧は後者の存在であった。
だから、あくまで自然に── 柔らかに接してやろうと心掛けてやったというのに。
奴め、まるで自身が鈍感であるような素振りを徹底している。
向けられた感情が怖いのか? それとも向ける事が怖いのか? 嗚呼、臆病者め!


19.『愛されるのに臆病すぎて、』 ──── 2018/10/03

全の中の一であるか、一の中の全であるか。俺にとって、奴は前者の存在であった。少なくとも、こうなるまでは。
異端の運命、交わらないはずの境界線。求めちゃいけない気持ちを抑えきれなくて、ただただ苦しかった。
向けられた感情が怖いんだ。それらを正しく返す事も出来ないほどに。俺は臆病者だ……


20.『一行の空白』 ──── 2018/10/05

筆が止まった。締めの言葉が思い浮かばなかったからだ。陳腐なものにはしたくないが、分かりにくすぎてもらしくない。
最後の最後にやってきた悩みどころだ。しかし、どれほどの時間を使って唸っても、その一文だけは埋める事が出来なかった。
そんな震える手から渡した文(ふみ)は、一行の空白が出来たまま。

『140文字SSまとめ vol.2』

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140文字SSまとめ - vol.1 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.1〜No.10]
140文字SSまとめ - vol.2 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.11〜No.20]
140文字SSまとめ - vol.3 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.21〜No.30]
140文字SSまとめ - vol.4 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.31〜No.40]
140文字SSまとめ - vol.5 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.41〜No.50]
140文字SSまとめ - vol.6 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.51〜No.60]
140文字SSまとめ - vol.7 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.61〜No.70]
140文字SSまとめ - vol.8 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.71〜No.80]
140文字SSまとめ - vol.9 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.81〜No.90]
140文字SSまとめ - vol.10 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.91〜No.100]


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袖黒鴉 (そでぐろからす)
絵描き 兼 文字書き





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