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Sisizaryuseigun, since 2004.07.21

140文字SSまとめ - vol.4 [マオヒエ]

[ 厳密には140文字ではない話 - お題元 ]



31.『見ないふり、見えないふり』 ──── 2018/10/22

──「好き」っていうのは、何だろう? 俺には全く分からない。
相手も変だし、自信が無い。それでも、気持ちは落ち着かない。こうして、自分は「見ないふり」。
──「好き」っていうのは、何だろう? そんなの貴様が考えろ。
相手や自信は関係無い。素直になれば終わりだろう。こうして、自分は「見えぬふり」。


32.『自分のモノには名前を書きましょう。』 ──── 2018/10/23

自分のものには名前を書きましょう── 物珍しさで購入した西洋式の硬質な筆には、そんな一文が添えられていた。
なるほど、実に分かりやすい。印とは違って手軽だし、墨も特殊で扱いやすい。これなら、何にだって書けるだろう。
そうだな。例えば、横にいる──
「おい! 何をしたんだ?! 見えないぞ!」


33.『きっとそれで正解』 ──── 2018/10/24

あれやこれやと考えて、今日も最後の一歩が踏み出せない。その一言を言ってしまえば、全てが変わってしまうだろうから。
それで良いのか? 満足出来るのか? そう問われれば、俺は「出来ない」と答えるだろう。
だけど、あいつに限っては満足していると言わんばかりの表情だ。だから、きっと、それで正解。


34.『反則だらけ』 ──── 2018/10/29

ああ、それは認めてやる。
俺が思っていたよりも世間知らずだったという事も、無知を晒すのは恥ずかしいという事も、奴に笑われると異常に腹が立つという事も。
歳の差なんて飾りみたいなものだ。そんな隙間、埋めようと思えば埋められる。
だが、あいつに限っては……おい、笑うな! こっちは本気なんだぞ!


35.『結婚しちゃおっか』 ──── 2018/11/04

「結婚してみるか?」
──急に奴がそんな事を言うものだから、持っていた湯呑を床に落としてしまった。
「冗談だろ?」
「その方が結果的に楽だと思っただけだが」
「本気なのか?」
「本気? 余はいつでも本気よ」
はあ、やはり冗談か。こういう返しをする時は大体が……
「えっ、ゆ、指輪?」
「聞け、西の国ではな──」


36.『なんて言ったの?』 ──── 2018/11/06

「……で、うん。それで?」
「喧嘩になった」
「またぁ? 本当に元気だね、君ら」
勢いで上がり込んできた友人が淡々と愚痴を零し始める程度には、今日の喧嘩は壮絶だったらしい。
「ねえ、相手にはなんて言ったの?」
「それは、その……」
「ああ、うん。大体、分かった。家に帰ったらちゃんと謝るんだよ」


37.『それは寒い夜だった。』 ──── 2018/11/12

竜のように息をはあっと吐くと、闇に白い炎が舞い上がり、薄っすらと雪化粧した夜の庭へと消えていく。
そういえば、あいつの手は俺よりも冷たかったな。そんな記憶がふと蘇り、夜空に馴染まぬ不気味な白を視界に捉える。
どこか現実離れした「それ」をそっと握ると、相手はどういう事かと小首を傾げた。


38.『入れ替わり』 ──── 2018/11/14

「もし、ここで俺達の身体が入れ替わったらどうする?」
「は?」
「何か悪戯してやろうとか」
今日の話題は極まって意図が掴めない。在り得ぬ仮定を振られるのは好きではない。だが、そうだな。
「それこそ“悪戯”してやろうかと」
「は……?! き、貴様、それはどういう意味で──!」
おお、面白い面白い。


39.『嘘の質量』 ──── 2018/11/15

「ふうん、それで」
「だからっ、その……」
顔を赤く染めて恥じらう小僧の手を掴む。
「嘘だろう?」
「本当だ、嘘じゃないっ!」
「ほお……」
視線を逸らす小僧の胸倉を掴んで、こちらへ寄せる。
「それも嘘だな? その程度で余を騙せると思うたか?」
「うっ……」
「事実だけを述べよ。さあ、言うのだ……」


40.『いつかの夢の続き』 ──── 2018/11/16

あの時の竜の夢を覚えているか? そうか。実は余が見た夢には続きがあってな。
──闇。そう、闇だ。それは果てしない闇を歩き続ける夢だった。
さも、この夢こそが貴様が迎えた真実の未来であったと言わんばかりに……
いや、何でもない。今の話はもう忘れてくれ。このままでは正夢になってしまいそうだ。

『140文字SSまとめ vol.4』

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140文字SSまとめ - vol.1 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.1〜No.10]
140文字SSまとめ - vol.2 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.11〜No.20]
140文字SSまとめ - vol.3 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.21〜No.30]
140文字SSまとめ - vol.4 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.31〜No.40]
140文字SSまとめ - vol.5 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.41〜No.50]
140文字SSまとめ - vol.6 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.51〜No.60]
140文字SSまとめ - vol.7 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.61〜No.70]
140文字SSまとめ - vol.8 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.71〜No.80]
140文字SSまとめ - vol.9 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.81〜No.90]
140文字SSまとめ - vol.10 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.91〜No.100]


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袖黒鴉 (そでぐろからす)
絵描き 兼 文字書き





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