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Sisizaryuseigun, since 2004.07.21

140文字SSまとめ - vol.5 [マオヒエ]

[ 厳密には140文字ではない話 - お題元 ]



41.『僕は一生、恋をしない。』 ──── 2018/11/17

過去の事を思い出すと、胸の内がずきずきと痛んで止まらない。
心に風穴を開けられてしまったかのようで、深く深く、更に深く、心の溝を抉っていく。
言葉にならない言葉の問いは、涙に乗せて流れていくばかりで答える者は現れない。
冷たく結ばれたままの両手は、ただただ「奇跡は過ぎた」と語るだけ。


42.『お腹いっぱい君をください』 ──── 2018/11/18

「あぁ〜あ! 貴様が龍だったら、とっくに余の腹の中だったろうに!」
「今の言葉、龍巫師殿に伝えておこう」
「冗談も通じぬのか、この小童が」
「……散々、食い散らかしておいて何を今更」
「あんな程度、腹八分目ですらないわ」
「は……?」
「何だ、気付いていなかったのか? やはり、小僧は小僧か……」


43.『四十五秒以内の逢瀬』 ──── 2018/11/19

「一分。いや、一分も必要無いな」
扉越しで聞こえる声が、こちらに向けて発せられる。
「四十五秒、良いな?」
聞くや否やの戦争だ。時間以内に準備が出来なければ、今日はそこまで。
相手にしてほしかったら従えという、暗黙の了解だった。今日は行ける。今日こそは……
「おい、間に合ったぞ! 早く出ろ!」


44.『僕の居場所』 ──── 2018/11/21

「居場所?」
「ああ、不安とかは無かったのか?」
「はっ、考えた事すら無かったわ」
突然の話題に少しだけ驚いたような表情を見せた奴が、読みかけの本に栞を挟んでぱたりと閉じた。
「幸せな奴だな」
「フン、そんなものは自身の考えようでどうにでもなる。貴様のような小童にはまだ分からぬだろうがな」


45.『君の気配』 ──── 2018/11/22

今日は一人で家の中。そういう意識が入ってくると、妙に落ち着きが無くなってしまう。
せめて、温かい夕飯でも作っておいてやろう。思い立ったが吉日と作業をこなし、帰りを待ち続ける。
飯も冷えていきそうな頃合いに、遠くから微かに白檀の香りが漂ってきた。彼の気配が目前に迫る。そして──
「ただいま」


46.『例外的に』 ──── 2018/11/23

「ったく、今日だけだぞ。分かったな!」
そうやって声を荒げる彼は少しだけ頬を赤く染めていた。
特に抵抗も無いまま、片手を寄せて指を絡める。互いの手の大きさがあまりにも違っていて、何だか笑えてきてしまった。
「そういえば、初めてだったな。手を繋ぐの」
「チッ、だから何なのだ。女々しい奴め」


47.『日常崩壊寸前』 ──── 2018/11/24

小僧が城に帰ってこない。いつもの事だと思って油断していたが、今回は本気で怒らせてしまったのかもしれない。
焼け付くような朱色の空も夜の闇に飲まれようとしている。普段ならば夕餉の時間であろうに。
素直に帰りを待つべきか、諦めて出掛けるか。いや、もし、それですれ違いになったら怖いしな……


48.『逃がしはしない』 ──── 2018/11/25

「今日は良いだろう?! なあ!」
「駄目だ」
「何で!」
「疲れた、眠い」
焦らされ続けて、早一ヶ月。もはや、我慢出来るような状況ではなかった。
こいつは「明日やろうは馬鹿野郎」という言葉を知らないのか? いい加減にしないとまた家出するぞ。
「今日こそは絶対に付き合ってもらうからな! 良いな?!」


49.『二人だけの王様ゲーム』 ──── 2018/11/26

「それで、何をしてほしいんだ」
「何もしなくていい、そこにいろ」
「は?」
言われた通りに座っていたら、顎を掴まれる形で唇を奪われた。
「く、口吸い? なら、最初からそう言えよ」
「ハッ、分かってないな。己の思う通りに扱うから人形遊びは楽しいのだろうが」
こいつは時々、よく分からない事を言う。


50.『縁のない話』 ──── 2018/11/30

ははぁ、それは傑作だな! どれどれ、どれだけ文を貰ったのだ。おお、これは大漁だな。それで、気に入った娘はいたのか?
……は? 余? 囲われたいって……それは新手の冗談か何かか? 違う? いや、何を言って……ほ、本気なのか?
少しは冷静に……文? あ、ああ……後で読んでおく。返答はもう少し待て……

『140文字SSまとめ vol.5』

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140文字SSまとめ - vol.2 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.11〜No.20]
140文字SSまとめ - vol.3 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.21〜No.30]
140文字SSまとめ - vol.4 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.31〜No.40]
140文字SSまとめ - vol.5 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.41〜No.50]
140文字SSまとめ - vol.6 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.51〜No.60]
140文字SSまとめ - vol.7 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.61〜No.70]
140文字SSまとめ - vol.8 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.71〜No.80]
140文字SSまとめ - vol.9 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.81〜No.90]
140文字SSまとめ - vol.10 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.91〜No.100]


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袖黒鴉 (そでぐろからす)
絵描き 兼 文字書き





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