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Sisizaryuseigun, since 2004.07.21

140文字SSまとめ - vol.6 [マオヒエ]

[ 厳密には140文字ではない話 - お題元 ]



51.『週7日制』 ──── 2018/12/06

「俺が嫁役になる。それで、貴様はもう少し思いやりというものを身に着けろ」
「何から何まで意味不明なんだが……まあ、最終的に出ていってくれるなら構わぬわ」
「何を言っているんだ? これは週七日制の仕事だ。出ていかないし、報酬は貰う」
「はぁ?! 小僧如きがふざけ……」
「小遣いは月三万! 良いな?」


52.『お願いだから嘘と言って』 ──── 2018/12/07

「なっ……帰るだと? 本気か?」
「ああ、別に良いだろ。どうせ、俺達なんて相容れない存在同士だし」
唐突に別れを告げられ、そそくさと荷物をまとめた小僧が足早に部屋から去ろうとする。
おい、嘘だろ? あの小僧に限って、そんなはず──
「鬱陶しいな! 数ヶ月程度の身の世話くらいは自分でやれよ!」


53.『ここから始まる』 ──── 2018/12/08

切先が掠って、血がぼたぼたと垂れて、避け得ぬ災いが世界を包み込もうとしていた。ばたりと片方が倒れる、その時までは。
ある者の提言によって、その場は一時休戦となり、永遠を失いかけた帝王は生き長らえた。
不機嫌な燕が如何にも渋々といった様子で帝王に手を差し伸べる。全てはここから始まった。


54.『嫌味なくらい、できたやつ』 ──── 2018/12/09

俺は奴の事を「一人では生活する事すらも儘ならないような男」なのだと思い込んでいた。
手際良く家事手伝いが出来る皇帝なんて聞いた事が無いんだから仕方ないだろ?! 俺は悪くないぞ!
「フフフ、考えは改まったか?」
「うっ……」
奴が持っていた人望というものが、何となく、少しだけだが理解出来た。


55.『どんな言葉よりも』 ──── 2018/12/10

「あの時は殺せば終わりだと思っていた」
「おお、随分と物騒な」
「でも、大切なのは言葉じゃない。表面的な部分だけで決めてはいけないと、あれだけ言われていたのに」
「しかし、それでも許されぬ事はある」
「当然だ。だが、価値観なんて視点次第だ。どんな言葉よりも、初めからお前を見るべきだった」


56.『ふたりぼっち』 ──── 2018/12/11

「この城は広すぎる」
小僧が夜空を見上げながら呟いた。
「そりゃあ、城だからな」
「二人で使うには、あまりにも広い」
「こうさせたのは貴様だろうて」
凍る吐息を嘲笑うかのように、底無しの闇が雪を降らし始める。
「独りよりは二人だ」
「だが、ふたりぼっちだ」
「くくく。何だ、それは? らしくないな」


57.『Marry me?』 ──── 2018/12/12

西の方では親愛の言葉として「めりーみー」というものがあると聞いた。
それで、物は試しと奴に言ってみたのだが、何故か物凄い剣幕で怒鳴られてしまった。
「え? 何か問題があったのか?」
「問題は……な、無いが! 突然、言う奴があるかッ! この馬鹿!」
──あれ? 何かがおかしいな。どういう事なんだ……?


58.『惚れ直した?』 ──── 2018/12/13

「あっ、危ない!」
声に応じて振り返った先に飛び込んできたのは、大きめの陶器がこちらへ向かって落ちてくるという光景だった。
「おっと」
「えっ」
常人なら為す術無く割っていただろう所を片手で簡単に掴み取った帝王の姿に声の主である小僧が呆気に取られている。
「惚れ直したか?」
「今ので冷めたぞ」


59.『ゼロ距離告白』 ──── 2018/12/14

「ん……」
器から口を離した奴が声を漏らした。
「どうした。塩は減らしたぞ」
「分かっている。好みを理解してきていると感じただけだ」
「それはどうも」
それ以上の会話は続かず、黙々と食事が進んでいく。
「はあ」
「何だよ、さっきから」
「貴様の味噌汁は美味いな」
「そうか」
何故か、奴が顔を顰めた。


60.『共犯者の笑み』 ──── 2018/12/15

「おい、小僧。用意は出来たか」
「うるさいな、さっきからやっているだろうが!」
今年も城で宴を開いてくれる事実に居ても立ってもいられないらしい奴は生粋の宴好きだ。
喜ぶ奴の姿見たさで続けている忘年会も早六年目の恒例行事となっていた。
さあ、今回も飛び切り派手にもてなしてやろうじゃないか!

『140文字SSまとめ vol.6』

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140文字SSまとめ - vol.2 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.11〜No.20]
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140文字SSまとめ - vol.4 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.31〜No.40]
140文字SSまとめ - vol.5 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.41〜No.50]
140文字SSまとめ - vol.6 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.51〜No.60]
140文字SSまとめ - vol.7 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.61〜No.70]
140文字SSまとめ - vol.8 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.71〜No.80]
140文字SSまとめ - vol.9 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.81〜No.90]
140文字SSまとめ - vol.10 [マオヒエ] - 厳密には140文字ではない話 [No.91〜No.100]


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袖黒鴉 (そでぐろからす)
絵描き 兼 文字書き





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